いきぢから
by keiji65535
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こんな夜に
 なぜ死ぬとわかっていて行くかって? それは俺が「男」だからさ。

 なぜ風邪を引いたら首にネギを巻くかって? それは俺が「おばあちゃん子」だからさ。

 仲間たちの声が俺の背を打つ。しかし歩みは止まらない。

「よせ! スポーツ新聞の求人欄に応募するのはやめろう!」

 脳髄でそのような一人芝居が繰り広げられるほどに、彼にとって就職活動とは一大事業であった。
 履歴書に虚偽の住所を記すことで、いつでも逃げれる道を敷いて入ったその零細広告会社は、しかし、彼自身が驚くほど、すんなり勤まっていた。
 俺はもしかして、けっこう働き者だったのか。彼は自身に対する認識を改め、それまでの怠惰を悔いた。人生の30年近くを無為に過ごしてきたその遅れを、少しでも取り戻そう、そんな殊勝な考えさえ抱きはじめていた。

 しかし平穏は長く続かなかった。

 彼がある日、彼の会社と平素懇意にしている印刷工場に赴いたときのこと。

「あー。わー」

 ここが静かなのは、最近いつものことだった。彼の会社以外、この工場に仕事を廻しているところはほとんどないようだった。
 それにしても今日は人っ子一人いねえじゃねえかと不審に思いつつ足を踏み入れると、輪転機の上で工場の社長が首を吊っていた。

 彼は不思議なほどの落ち着きで、俺が第1発見者ってことはねえだろう、他の従業員はどうした、と訝り、工場奥の階段を昇り、事務所に向かった。道々、携帯で会社に連絡し、社長に状況を伝えた。
 やがて事務所に辿り着いたが、金庫が開いて中が空になっている以外は、普段と様子は変わらない。待っていれば誰か来そうな気がするが、まあ来ないだろう。
 ここへ来てようやく、警察に通報するという発想が出た。
 机の上の紙袋に工場の住所が記されており、それを携帯で警察に伝えた。
 切ってから、あ、警察来るまで俺いないとまずいのかな、と思い、どうせ帰ってもすることないけどでも死体の目と鼻の先でじっとしているのもどうもなあ、まあでも仕方ないか、彼は観念してソファに腰を沈めた。
 ふと窓の方を見ると、コガネ色の猫が、トタン屋根の上で伸びをしていた。
 しばらく眺めていたが、猫はこちらに気付きもしないようだった。

 こうなるとどっか他の印刷工場さがさなきゃなあ。それ、俺がやるのかな。まあ俺しか営業いないし。ここみたいに、納品書の改ざんに協力してくれるような工場が、簡単に見つかればいいけどなあ。

「ああ」

 彼は考えることを放棄して大きく一つ嘆じると、天井を仰いだ。
 穴がボコボコあいていた。

知らせ。
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by keiji65535 | 2006-01-31 22:52 | 自動書記小説
思うところありまして
 平成生まれが続々と処女を喪失していく昨今、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか乳もませろ。

 まことに突然ですが本日より、当ブログのコメント欄を廃し、かわりに掲示板を設けることにさせていただきました。サイト右上の、バナーつうの? ソレから行けます。

 いえね、順調にいけば、あと1週間ほどで、僕の実質的なデビュー作である「さばくのおうさま」が刊行されるんですよ。

 そうすっと、作品の感想をこのブログにお寄せくださる方も、中にはいらっしゃると思うんです。

 当然、「ッだらねえもんに金と時間使わせやがって! この阿呆! 呆け! 自傷行為痕フェチ!」ていう、極めて的確なご意見も、確実にきますよね。

 もちろん構わないんですが、ブログのコメント欄が、記事内容と直接関係ないそういった書き込みで埋まるのは、あまり望ましくないっていうかむにゃむにゃ。

 ええと、要するに同じ罵倒されるにしても、一箇所に固めてしまった方が、何となく、ヘコみ具合が幾分緩和できる気がするんです。ほんと、ナントナクなんですけど。

 お手数ですが、そういったことでして。よしなに。 
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by keiji65535 | 2006-01-23 20:28 | 業務連絡的
事実は小説より
 このたび、「B-Quest vol.2 掲載作品候補投票」という企画が、

 全然知らないうちに終わってました。

 僕が以前「アイドルさん」という短編を掲載していただいた文芸誌「B-Quest」の、次号に掲載される作品を決める投票です。
 もっとも、単純にこの投票の上位作品が掲載になるわけではなく、この結果を踏まえた上で、これから編集会議が行なわれるのです。
 エントリー作品17作のうち、掲載枠は2~3作品だそうです。
 かなり厳しい確率で、僕の作品の全容が日の目を見る可能性は低いですが、ここから冒頭部分だけ読めますんで、よろしければ。
 僕のは13番目の「刑事たがり(デカたがり)」てやつです。

 今日、お笑いのライブを観に行きました。
 開演10分前に席に着くと、隣に座っている、日常生活に支障をきたすレベルの豊満な肉体をもった女性が、スナック菓子とハンバーガーを交互にむさぼっていました。
 全てを食べ終え、最後にコーラを一息に飲み干し、志村けんみたいなゲップをしたかと思うと、おもむろにカバンからロールケーキ丸々1本を取り出し、開演まで延々食ってました。

 貴女に、「ミス・コントみたいな女」の称号を与えます。

追記(1/20):今日、「B-Quest vol2」の選考の結果が届きました。やっぱ、あかんかった。
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by keiji65535 | 2006-01-19 23:59 | 業務連絡的
OSAKAあんない
 先日、ヒマすぎて左手首を切り落としそうになったので、近所の散策に出かけました。
 住み慣れた街とは言え、改めて歩いてみると新しい発見があるものです。
 もっとも普段出かけるところといえばバイト先とパチンコ屋ぐらいのもので、あとは部屋に籠もり、ほしのあきの全裸像を彫って自分を慰めているだけなので、当然といえば当然なのかも知れません。

 そんなわけで今日は、大阪の代表的な繁華街の1つである京橋と、大阪ビジネスパーク(OBP)なるオフィス街を結ぶ屋根付き歩道橋、「大阪城京橋プロムナード(OBP連絡通路)」を、勝手に案内してしまおうかという。
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続きなさい。
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by keiji65535 | 2006-01-17 20:46
感慨
 1月5日に「アイドルさん」の原稿料が振り込まれるって聞いてたんで、当日さっそく残高照会してみたけど入ってなくて、あれーおっかしいなーて思って次の日も見てみたけどやっぱり入ってなくて、まあ1週間たって振り込まれないようなら訊いてみよって思って、今日も見てみたけどやっぱり入ってなくて、で念のため通帳記入してみたら実はとっくに振り込まれてて、うわー原稿料入ってこの残高やったんかー気の利いた高校生でももっと持ってるよなーて思ってしょぼーん。
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by keiji65535 | 2006-01-10 18:35
極限の倦怠感の中で紡いだ物語
 決して外界と交わることなくひっそり暮らす山村があった。

 あるときから、どうしたわけか、その村に女が全く生まれなくなった。気が付いたら村中に50歳より下の女は一人もいなくなっていた。

 このままでは村は遠からず滅んでしまう。村の重鎮たちは話し合った結果、長年の禁忌を破ることにした。村に若い娘を連れてくるため、40人のイケメンを選び出し、村より放った。

 40人のイケメンは、山を降りる途中、2時間おきに野生のクマに襲われ、麓に着く頃には20人に減っていた。

 その日より、残った20人のイケメンたちは、悲しみを押し殺しつつ、狂ったようにナンパを続けた。

 1ヶ月後、50人の女が集まった。彼女らは、山の上にイケメンばかりの住む村があると吹き込まれていた。

 総勢70名が、村に向かって出立した。

 途中、一行は2時間おきに野生のサムライに襲われ、それでも女だけは守らねばならぬと、イケメンたちは身を挺して戦った。

 しかしそれでも20人の女が犠牲になった。イケメンに到っては1人しか残らず、その1人も、村に着くと同時に、安堵したかのようにその場で倒れ、息を引き取った。

 こうして30人の女が村に辿り着いた。

 しかしそのときには、村人全員がホモになっていたという。
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by keiji65535 | 2006-01-04 03:02 | 自動書記小説